








誰かが持っているものを欲しがる子、他の子がしていることを自分も同じようにしたがる子ってどこでもいると思います。
それが原因で、ケンカになったり泣いたり、怒ったりする子どもたち。
でも反対に、我慢しちゃう子やけんかが嫌いだからあきらめちゃう子、違う楽しいことを決めてさっさと違う遊びを始める子など子どもも様々です。
最近の保育園や幼稚園、小学校ではケンカはすぐ止めに入るというのが一般的なようです。叩いたら叩いた子が謝る。泣いた子には泣かせた子が「ごめんなさい」と謝る。それで決着をつけることに疑問を抱きながら私も子どもを育ててきました。
昨日も森のようちえんたんぽぽの根っこでケンカが始まりました。原因はたき火をするために必要な酸素を送るための「うちわ」の取り合いです。
取り合ううちにK君が泣きました。うちわを貸してくれないと泣きました。A君は泣きません。自分が使いたいと言いきります。私たちが開催している森のようちえんではこうした時に大人が解決策を見つけるということはしません。スタッフはじっと見守ります。
大きなケガをしそうな時は仲裁しますが、それ以外はじっと見守ります。
スタッフも悩みながら見守っています。「問題を解決する力はどの子どもにも宿っている。」と信じて見守ってくれています。
言葉掛けを全くしないということではありません。その場その場でスタッフの役割は変わります。スタッフの人生観や感性も違うわけで、対応はその場その場で変わります。スタッフが必死で考え、それぞれの子どもたちの発達段階において最善の方法を模索します。
そして、うちわの取り合いの最終的な決着方法として彼らはうちわの紙を二人で破るという結論に至りました。笑顔で二人でうちわを破る。
その後も二人は何もなかったかのように仲良く遊びます。でもまたケンカします。
ケンカも何度も繰り返すと、解決策も少しずつですが上手に導き出すようになります。まわりで見ている子どもたちもその姿から仲裁の方法を学びます。上手に解決できる方法を提案する子もいます。
「子どものコミュニケーっション力ってすごい!」
コミュニケーション力の向上を自ら学ぶプロセスが子どもたちの遊びの中にはいたるところに網羅されていると私たちは感じています。
「森のようちえん」という豊かな自然の中でのびのびと遊べる環境があるからできることだと思っています。
2022年3月26日 よっしー